キャリアコンサルティングとは

キャリアコンサルタントってどんな人?

キャリアコンサルタントとは、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に定められている国家資格です。

キャリアコンサルティングを行う専門家であり、名称独占のため、国の名簿に登録されていない人は「キャリアコンサルタント」として名乗ることができません。

大学など学校のキャリアセンター、公共職業安定所(ハローワーク)や民間の就職あっせん関連の業者など、または企業内でも、活躍しています。

特定の組織に属さないフリーランスや独立系のキャリアコンサルタントも存在します。

働く人、働きたい人の相談に応じることは、一番主要な仕事ですが、個人のみならず、企業などの組織に対して、例えばキャリア形成の研修プログラムなどの支援を行うこともあります。さらには、キャリアコンサルテイングに関する教育、普及活動まで活動は幅広くなっています。

キャリアコンサルティングとは

「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと

(職業能力開発促進法 第二条5)

とあります。

職業の選択、はわかりやすいと思います。どんな仕事に就くのか、ということです。

職業生活設計、が少しわかりにくいと思いますので、厚生労働省にある資料を参照しますと、

労働者が、その適性、職業経験等に応じ、職業の選択、職業能力の開発及び向上のための取組について計画することをいう。

(令和4年度「能力開発基本調査」(参考2)より)

あなたの適性、適している性質、や、今までの仕事に関する経験などに応じた、仕事の選択を考えたり、仕事上のスキルを向上させていこう、という計画ですね。

職業能力、はその通り、仕事をするために必要な能力、仕事上で発揮できること、スキル、などのことです。

助言、指導、と言っても、実際には、その文字通りの意味ではなく、相談者の自己決定権を尊重しながら、相談者がより良い、本人の納得できる決断をしてもらうために、支援をしています。

コーチングと何が違うの?

キャリアコンサルティングはコーチングと似ている部分があると思われるかもしれません。

コーチングは未来の実現したい目的にフォーカスして、そのプロセスを見出すこと、そしてその行動を促進する意味があると思います。目的がはっきりしていて、その選択をすることに疑問もなく、受け入れられている状態であれば、効果的と思います。

キャリアコンサルティングでは、相談者が自分から納得できる決断をしていただけるよう支援します。

本当に目指したい目的は何なのか、なぜAとBの選択を迷っているのか、なぜもやもやするのか。そこにどんな自分のありたい姿があるのか、を見つめて、ご自分に向き合うことを支援します。

キャリアコンサルティングのよくある誤解

たまに、キャリアコンサルタントは、キャリアパスを教えてくれる人、向いている仕事をあっせんしてくれる人、と勘違いされている人を見かけます。

本来、キャリアコンサルティング側から、こうあるべきだ、とか、こうすべきだ、という提示はしません。

キャリアコンサルタントは、相談者の価値観や考えを否定することはせず、尊重します。

あくまで、あなたのキャリアは、誰かに押し付けられるものではなく、あなた自身のものだからです。

また、キャリアコンサルティングにおいては、前提として、人は皆、よりよく生きたい、成長したい、という力を潜在的に持っている、としています。

そのご自身の職業人としての生き方を見つけ、自分の力で歩んでいこう、とすることを支援するという立場なのです。

悩んでいる人の相談だけではないキャリアコンサルティング

私の個人的な考えを述べさせていただくと、悩みがあるからキャリアコンサルティングを受ける、という考えも好みません。

何か問題がある、悩みがある、と決めつけるのも、相談に来る方に対して非常に失礼では、と思うのです。

今何も問題を感じていない、悩みがない、としても、キャリアコンサルティングを定期的に受けることをお勧めします。

1年、または2年に1回くらい、定期健診、とも言いましょうか、キャリアコンサルティングでご自身をじっくり見つめ直してみて、振り返りでご自身を褒めてあげる、また、受け止めてあげることで、新たな気づきを得ることにもつながるのではないでしょうか。

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